2度のリコール隠しで、当時倒産の危機にあった、三菱自が3回目となる不正が発覚し、この事態により、経営危機が本格化しそうだ。
今回は燃費の不正で、対象の軽自動車の販売を停止したが、今後の調査によってはさらに不正を行っていたモデルが拡大する可能性もある。
対象機種は「eKワゴン」と「eKスペース」また、共同開発し、三菱自製造の日産自動車向けの「デイズ」と「デイズルークス」も対象となる。
日産としては、大きなとばっちりを受ける事となりましたが、今回の不正に気付いたのは、日産側です。
燃費に関するプレッシャーをかけていたのではないかと疑いがありますが、三菱自側は、それは無いと否定しています。
具体的な不正内容は、現在主力となる、軽自動車「eKワゴン」などで、燃費を良く見せる不正をしていました。
国土交通省が行う、燃費試験で、検査場の「シャシダイナモメーター」という装置を使い、回転する筒の上を走る車の排ガスを分析して燃費を算出する際、空気抵抗やタイヤが転がる際の抵抗が少ない検査場と実際の路上の差を縮めるため、試験ではメーカーが報告した、各車種が受ける抵抗値を基に筒の回転に負荷をかけるが、偽った低い数値を提出して試験時の負荷を軽くしていました。
国交省は「制度の根幹を揺るがす問題だ」とコメントしています。
国土交通省は20日午後、道路運送車両法に基づき、三菱自の名古屋製作所(愛知県岡崎市)の技術センターに立ち入り検査を行うとともに、27日までに燃費不正に関する詳細を報告するよう指示しました。
しかし、検査する側が不正に気付かないとすると、まったく意味がありません。
技術的な部分が複雑な為、見破られることが無いと、思っていた可能性があります。
ここでも、消費者をないがしろにした、メーカーの倫理観が問われそうです。
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相川哲郎社長は同日夕、国土交通省で開いた会見で。
13年6月当時の担当部長が不正を指示したことを認めているが、不正を行った理由、不正に関わった人数などの詳細は、「調査をはじめたところ。何が原因だったのか徹底的に究明していく」としています。
「よい燃費に見せようという意図があったのは確かだ」との認識を示しています。
「まずは問題の解決と再発防止の道筋をつける」として辞任は否定しています。
会見に同席した中尾龍吾副社長は、燃費に関する社内目標値(1リッター当たり29.2キロ)を達成するために不正をした可能性が大きいとの見解を示しています。
該当車の所有者に対しては「誠実に対応する」として今後、具体的な方法を検討するとしており、エコカー減税の対象から外れて所有者の負担が生じる場合などは三菱自が支払うなどの対応を取る予定。
その場合、相当の費用負担が考えられる為、消費者離れも予想され、経営が立ちいかなくなる可能性があります。
リコール問題の後、三菱重工業や東京三菱UFJ銀行などの、三菱グループが支援することで経営を立て直してきたが、3度目の今回、「三菱グループも見捨てるのでは」との声も聞こえます。
相川哲郎社長は、「2000年のリコール事件以来、コンプライアンス第一を社内で浸透させることをやってきたが、やはり社員一人ひとりすべてに浸透させることはできなかった」と述べ、さらに、業績への影響については、「かなりダメージがあると思う」と述べています。
4月20日の三菱自の株価は、ストップ安となりました。
日本を代表する自動車メーカーが消える可能性があります。
経済にも影響を与えそうな今回の不正、果たして立ち直れるのでしょうか。