保育園落ちた、の嘆きと、子供の声がうるさい、の怒りの狭間

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近隣住民から、子供のの声でうるさくなるという反対意見で、千葉県の私立保育園が開園を断念したようです。
待機児童撲滅を目指し、さらには、「保育園落ちた、日本死ね」のつぶやきで、受け入れ先の拡大が叫ばれる中、その受け入れ先が途中でつぶされたことになります。
開園計画が発表されると、反対運動が起こったとということです。
ただし、「保育園が面する道路は狭いので危険だ」という意見もあったとのことで、立地等の計画そのものにも、若干の問題があった可能性があります。

社会福祉法人が、最終的に理事会で断念を決定したようだが、「保育園は地域の皆さんから見守ってもらえなければ成り立たない。現状では無理だと判断した」ということから、相当な、ネガティブ活動だったと思われます。
そこまで、大きく反対意見が出るということは、なにか周辺で、子供の声のトラブルが多かったのでしょうか。

かといって、待機児童の解消を盾に、住民の理解無しに保育園の開設を強行はできません。
必要性と、どのような形にするか、防音対策や、子供たちの安全などを話し合う必要があるでしょう。
街づくりとして、保育園が必要とされる世帯への利便性と、静かな住宅街での暮らしを求める世帯と、立地を十分考慮することで、その街にあった、暮らしの設計をするべきでしょう。
どうしても、箱物行政として、とりあえず、箱を作ればいいという、○○県民ホールのようなものにはしてほしくありません。

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一方、保育園に落ちた家族は、行き場を探すのに四苦八苦しているようです。
認可外の保育施設もは利用料が高く、しかも、パート、アルバイト収入月約10万円で賄えて、通える距離にあるのはわずか。
そして、空きが出たとの連絡は来ない。
育休中に預け先がみつからなければ、育休期限が終了する時点で、会社を辞めなければいけないという選択が待っています。
もちろん仕事を辞めると、入所の優先順位が下がります。ここに、もう一つのジレンマが発生します。

政府による、「一時預かり」の活用を打ち出しも、予約は人気コンサートのチケット並みにプラチナチケット状態で、1回に3日分しか予約できないかったり、すでに空きがなくなっていたり等、継続して働く場合は利用できない。

また、保育に関する”質”の問題もでてきています。厚生労働省の緊急対策は、人員配置や面積について、国の最低基準を上回る基準を設定している自治体に、一人でも多くの子供を受け入れるよう求めてきています。
しかし、東京世田谷区は、2004年に認可保育所の6歳の女の子が遠足中に川に流され死亡した事故があり、園児の安全確保に努める為、0歳児の面積基準(最低基準1人当たり3・3平方メートル)を「5平方メートル」、
1歳児の保育士配置(同子供6人に1人)を「5人に1人」と手厚くしています。
国はこれを「余裕分」とし、拡大を求めているようですが、その背景には、世田谷区の昨年4月の待機児童数が、全国ワースト1位の1182人という状況があります。

このままでは、子供たちの視点になる議論があまりありません。保育士の不足と職場としての環境はクローズアップされますが、子供の安全と保育の確保、そのための保育士の待遇、そして、住民の理解と協力、そしてそれを守る箱としての保育所。この順番で考えるべきではないでしょうか。

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