今年度の給与などを決める春闘で、中小企業の賃上げ額が大企業を初めて上回りました。
これは、記録の残っている1995年に金属労協が規模別の集計を始めて以降、初めてのことだという。
賃上げに関しては、良い話であるはずですが、なぜか、経済状況が逼迫したの印象です。
自動車や電機などの労働組合で構成する金属労協によると、3月31日時点で、労使の交渉が終わっている企業の賃上げ額の平均は、
1000人以上の企業では 1122円
300人以上999人以下の中堅企業は 1128円
299人以下の中小企業は 1281円
ベースアップやそれに相当する賃上げの額は、865の組合の平均で月額1249円でしたこれは去年の同じ時期に比べて663円少なくなっています。
ここからも、景気の浮揚感より、停滞が感じられる傾向で、今年の景気の頭が見えて来るようです。
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これまでの春闘は大手が賃上げをリードして中小企業が続いていたがそれとは異なる傾向です。
規模が小さい企業ほど、賃上げ額が大きい結果となったが、背景について金属労協は、労働力が減る中、働き手を確保するには、「業績が厳しくても、大手との賃金格差をこれ以上放っておけない」という、中小企業の危機感があったと分析しています。
やはり人材確保は切実で、引き合いはあるのに、その需要に対応しきれず、好機を逃すという、負のサイクルを一旦断ち切るためにも、英断は必要だったと思います。
労働組合側だけではなく企業側も、底上げの重要性を認識した結果であり、
働く世代が減る中、中小企業が人材を確保するには給与を上げざるを得ないと判断したとみられています。
企業の内部留保が還流するのであれば歓迎ですが、本来、大企業の役割であるはずの賃上げリードが、中小企業に回ってくる状況が、人材のいい意味での還流になり、活性化するか、全体の景気の足を引っ張るか、予測が難しいですが、ここは、中小企業に頑張って、景気のボトムアップを実現してほしいです。